小林麻央 痛み止めで「許される」
小林麻央さんは癌の痛みで限界を感じたとき、これまで拒絶していた痛み止めを飲み、「許されていく感覚がした」と9月4日付けの自身のブログに綴りました。
小林麻央さんの服用した薬がどのタイプなのかは分かりませんが、できれば薬を飲みたくないという感覚は分かる気がします。実際に少なからず副作用もあるでしょうし、最近では「医者に殺される」といった過激なキャッチフレーズの著書が何冊も出ており、医者のいうままに薬を飲んでいたら大変だ!という主張も少なくありません。
とくにイメージのよくない薬にモルヒネがあります。例えば、7月12日にがんとの闘病生活の末に亡くなられた大橋巨泉さんは、誤ったモルヒネ投与で状態が悪くなったと述べていまいた。
小林麻央さんは反対に、(それがモルヒネかどうかは分かりませんが)痛み止めを飲むことが救いになったようです。ここではモルヒネを飲んではいけない理由ではなく、飲んでも良い理由について見てみましょう。
モルヒネの使い方は昔と今では異なっている
モルヒネを投与すると麻薬中毒になったり、副作用でかえって体にダメージを与えたりといったことを耳にすることがあります。これについては、がん情報サービスのHPにある「痛み止めの薬の知識Q&A」の回答が参考になります。
それによると、昔は痛みが我慢できなくなってからようやくモルヒネを使っていました。既に痛みが生じてしまっている状態だと、それを鎮めるために大量のモルヒネが必要になり、体の中のモルヒネの量が多くなりすぎて麻薬中毒になることもあったそうです。
美白ケアの4つの欲求…これで自分に必要なコスメが分かる!
これに対して現在では、痛みが我慢できなくなってからではなく、それよりも手前でモルヒネを用いることで、はるかに少ない量のモルヒネで鎮痛効果を得ることができるのだそうです。常に痛みのない状態を基準とし、薬の効果が切れる前にあらたに投与する。こうすることで、比較的少量のモルヒネで痛みの緩和ができるという考え方です。
ギリギリまで我慢してモルヒネを用いた場合は、使用のスタートこそ遅くなりますが、鎮痛のためには大量のモルヒネが必要になります。あらかじめ痛みを緩和し、その状態の維持に努めた方がモルヒネの必要量が減るというのは少し意外でしたが、これなども痛み止めを我慢せずに飲んでよい理由になるでしょう。
モルヒネには飲み薬もある
もうひとつ、モルヒネについて誤解されやすいものに、注射や点滴によって大量に投与される、というものがあります。
実際にはモルヒネにはさまざまなタイプの飲み薬があり、これを組み合わせて使う方法があるそうです。
水薬、粉薬、細粒、錠剤、カプセルといった飲み薬のモルヒネは効き目が生じる早さに違いがあり、大きく2つのタイプに分けられます。
<徐放剤>ゆっくり長く効くタイプ
<速放剤>すぐに効くが効き目が短いタイプ
効き目が持続する徐放剤を使用しながら、突然の痛みに襲われたときに速放剤を使う、といった組み合わせ方があります。
小林麻央さんのブログの中で非常に気になったのが、
「あのとき、
信じなければよかった」
という言葉。
この言葉が痛み止めを飲むことと関係があるかどうかは分かりませんが、かつては信じ、今は後悔しているもののひとつに、「痛み止めを飲まない」があったのかもしれませんね。