インフルエンザが流行する季節を迎えました。お母さん方にとって特に気になるのは子供のインフルエンザではないでしょうか。ここではインフルエンザの症状や検査、ワクチン接種について確認しておきましょう。
48時間以内の治療開始が理想
インフルエンザはカゼと非常によく似ていますが、38℃~40℃の高熱が出やすく、筋肉痛、関節痛、倦怠感を伴うのが特徴です。水分補給や栄養補給に注意して安静にしていれば5~7日程度で自然に治ることが多いのですが、早期に適切な治療を受ければ回復を早めることができます。インフルエンザの治療薬は発症から48時間以内に使い始めることで高い効果を発揮します。そのためには迅速な検査が大切です。
医療機関を受診すると迅速抗原検出キットを使い、インフルエンザかどうかを30分程度で簡単に確認できます。このキットはめん棒を鼻の奥やのどの奥に入れてサンプルを採取し、反応が出るかどうかを見るというものです。子どもが喉や鼻にめん棒を入れるのを嫌がる場合は、鼻をかんでもらい、その鼻水で検査を行う方法もあります。
子供のワクチン接種はメリットが大きい
子供のワクチン接種に関しては、それを行うことによるメリットとデメリットが問題になります。
成人の場合、インフルエンザ1例の発症を防ぐには33~100人にワクチンを接種する必要があるそうです。流行するインフルエンザに関するWHOの予測が正しい場合は、比較的少ない人へのワクチン接種でも効果がありますが、予測が外れた場合は多くの人に接種しなければ効果が出ません。33~100人と、数字の幅が広いのはそのためです。
一方、6歳未満の子どもに関しては、インフルエンザ1例の発症を防ぐには、6人にワクチンを打てば良いといいます。これは、子供に対するインフルエンザワクチン接種が、非常に高い効果を持つことを示しています(ただし、2歳未満については、効果を示す十分なデータが不足しているそうです)
乳幼児のワクチン接種の基礎知識
2歳未満に対するワクチン接種の効果については、2歳以上6歳未満に対する効果ほどにははっきりしたことは分かっていません。そのため、絶対に接種した方がよいとは言い切れませんが、念のためポイントを押さえておきましょう。
乳幼児に対するインフルエンザのワクチン接種が可能になるのは生後6か月目からです。インフルエンザのワクチンには、死んだ病原体を無毒化させた「不活化ワクチン」を使い、子供の場合は2回接種します。「生ワクチン」とは、次の予防接種を受けられるまでの期間が異なります。不活化ワクチンは1週間空ければ次の予防接種を受けられますが、生ワクチンでは4週間程度空ける必要があります。そのため、麻疹(はしか)や風疹(ふうしん)の生ワクチンを先に接種してしまうと、4週間の間はインフルエンザワクチンの接種を待たなければならないので注意しましょう。
インフルエンザワクチン接種は、インフルエンザに罹りにくくし、罹っても重症化するのを防いでくれます。特に2歳以上6歳未満において効果が高いことが報告されています。ただし、全ての予防接種がそうであるように副作用についても報告されています。インフルエンザワクチンは任意接種です。受けるか受けないかは、それぞれの家庭で良く考えて決める必要があります。
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