シンガーソングライターの大黒摩季さんが5年10か月ぶりに復帰することが分かりました。
大黒さんは、
・子宮腺筋症
・子宮筋腫子
・宮内膜症
・卵巣嚢腫
といった不妊の原因になる疾患を多数かかえており、妊娠を望んでいたために歌手活動を中断して治療に専念していました。なかでも問題となったのは子宮腺筋症でした。
全摘手術で症状は消えるが……
子宮腺筋症とは、子宮の内側を覆っている子宮内膜が子宮筋層内で増えるために、生理になると内膜がはがれて出血し苦痛をともないます。代表的な症状は重い生理痛で、次第に生理以外でも痛みが出るようになります。そして、問題なのは不妊の原因になること。
症状を消すことだけが目的ならば子宮を取り除く全摘手術を行えばよいことになります。実際、子宮腺筋症は経産婦に多い病気で、以前はすでに子どもを持つ人が多く、全摘手術でも大きな問題はありませんでした。しかし、現在では晩婚化と晩産化が進み、大黒さんがそうであるように妊娠を希望する人が罹るケースが増えてきました。当然、全摘手術を行えば妊娠は不可能になります。
40歳で治療開始、46歳で活動再開の意味は?
報道によると、大黒さんは根治したと伝えられていますが、治療の詳細については触れられていません。先にも触れたように、症状を無くすためだけなら全摘手術で良いわけですが、これだと妊娠が不可能になるため、出産を希望する大黒さんは歌手活動を中断してでも治療に専念する選択をしたのでした。
今回の根治が、症状の解消と不妊治療の両方が上手くいったなら理想的です(その可能性もあると思います)。しかし、年齢を考慮して不妊治療の方にはめどをつけ、症状を解消する道を選んだ、つまり、全摘手術を決断したという可能性もあるのではないでしょうか。
大黒さんが治療に専念することを決めたのは40歳のときです。40歳代で初産の割合は5%程度とも言われており、この段階でも妊娠・出産に至るには高い壁があります。その上、ここからは年齢を重ねることに妊娠可能性もどんどん低くなっていきます。いわばラストチャンスに最善を尽くすために、全摘手術を避けながら同時に不妊治療を続けられたのでしょう。
(参考:お笑いタレント・なるみさん「43歳の壁」超え出産! 40歳以上「初産」の割合はどれくらい?)
そして、活動再開を決めたのは46歳。一般的には妊娠・出産を期待することが困難な年齢です。これまでは妊娠に可能性を残すために全摘手術を避けてきたが、もはやその理由もなくなり、根治を優先したということがあっても不思議はありません。最後のチャンスである40歳、そして、不妊治療の終了を判断する46歳。このように考えると、歌手活動中止のタイミング、そして再開のタイミングを了解しやすくなると思うのですがいかがでしょうか。
8月13日に故郷の北海道で行われる「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2016 in EZO」への出演を前に、大黒さんは「これまでこの胸が張り裂けんばかりに蓄電したROCKエネルギーを大放出し、熱いスタートを切りたい」とコメント。これは個人的な印象ですが、今回の復帰は単なる歌手活動の再開ではなく、歌手活動への専念を意味しているのではないかという気がします。