AKB48チームKメンバー・篠崎彩奈さんがバセドウ病のため劇場公演などの活動をしばらく休むことが分かりました。バセドウ病は甲状腺が過剰に働いてしまう病気。甲状腺は代謝に関与しており、機能が高まると食べても食べても太らず、非常にエネルギッシュになり、性格的にはせかせかとした感じになるといいます。この病気の人は魅力的に見えることから美人病とも呼ばれています。
たくさん食べても痩せやすく、「美人病」などという名前がついていたら、少しうらやましいような気にもなりますが、バセドウ病はやはり病気。当然ですが、不都合なことの方が多いのです。休んでいるときでも体内は活発に活動しているので疲れやすく、何より心臓に負担がかかります。
バセドウ病と心臓の病気
バセドウ病では、心臓の動きが活発になり脈拍もあがります。常に心臓に負担がかかっているので、やがて心臓も疲れてきます。心臓が働きすぎで機能が低下すると、全身に血液をめぐらせるポンプ機能が上手く働かず、足など体の末端に「むくみ」が出るようになります。ほかにも狭心症や弁膜症といった心疾患のリスクも上がります。
篠崎さんは、「心臓が常に走っている状態で動いており、疲れやすく動悸がするなどの症状があります」とコメントしています。これはバセドウ病の一般的説明ではありますが、心臓にフォーカスしているのが印象的です。医師の診察を受けた際に、特に心機能に対する注意があったのかもしれませんね。
バセドウ病とうつ病
バセドウ病は甲状腺機能が高まるため、イライラしやすく精神的に不安定です。治療によって甲状腺機能が正常化すれば精神的にも安定しますが、治療によって甲状腺機能が低下しすぎると今度は気分の落ち込みが生じ、うつ病のリスクが高くなります。
篠崎さんは不本意な形でアイドル活動を休まざるを得ず、気持ちが落ち込みやすいでしょう。こうした状況に甲状腺機能低下が重なるとうつ病の心配も出てきます。しかし、全面的に活動を中止するわけではないようなので、上手くバランスを取りながら活動を続ければ、完全復帰も可能ではないでしょうか。
運動できるようになるまでの期間
バセドウ病に罹ったからといって、運動制限がこの先ずっと続くわけではありません。実際、バセドウ病のトップアスリートもいるくらいです。できるだけ早く運動を再開した方が健康のためにも良いはずです。そのためには、甲状腺機能が正常に戻っていなければなりません。
一般的には、治療を開始すると約2カ月で症状が安定し、日常生活に支障が出なくなります。そして、さらに正常な状態が1~2カ月続けば、運動の再開を検討する時期です。
篠崎さんの治療が順調に進めば、治療に専念する時期は最初の3~4カ月だけで、その後少しずつ活動レベルを上げていく、ということも考えられますね。