小林麻央さんのブログを見ていると、アレ?こんなことしてていいの?っていうの結構あるよね。
で、そこに価値があるんじゃないかなと思ったんですよ。だって、何が間違っているのかが分かっていれば、ほかの人が同じ失敗をしなくても済むわけだから……。もし間違いだと知らずにうっかり真似してしまったら大変。本当に洒落になんない。へたしたら死にますよ、と。
乳がんは、すべての女性が潜在的にかかえているリスク。もちろん、ならないのが一番いいけれど、なってしまったらひとつ、ひとつ決断していかなくちゃならない。そのときに間違った選択をしないでほしい。こんな言い方は故人に少し失礼かもしれないけど、反面教師として学ばせていただきましょう。
【追記】2022年3月、麻央さんの姉である麻耶さんが暴露動画を公開。それによると、麻央さんの乳がんを悪化させた張本人は夫の海老蔵さんだということに! 真相やいかに?
ダメ、絶対!<その1>「再検査すっぽかし」
小林麻央さんの乳がん発見のきっかけは、子どもと遊んでいるときに自分で胸にさわって「しこり」に気づいたこと。パチンコ玉のような固さだったと語っているよね。
確かに、例えがねw 割と庶民的なボキャブラリーなんだなと。それはさておき、どうして自分で気づいたのかというと、自分で気づけるくらいになるまで検査を受けてなかったから。
小林麻央さんの誤診問題というのは有名な話。最初の検診では乳がんの疑いは半々といわれていた。ところが再検査を受けた別の病院で「異常なし」と判定された。これが誤診だと騒がれたわけだけど。ここで重要なのは数カ月後に(再検査を受けた同じ病院での念のための)再検査に来るように言われていたのに、麻央さんは行かなかった。
そのときは、まさか自分が乳がんだとは夢にも思わなかったから再検査をそんなに重要なイベントととらえていなかった。月日は流れ、しこりはどんどん大きくなった。もちろん「異常なし」と言われていなければこんな結果にはなっていなかったけれど、それを言ってもしょうがない。医療だって完璧ではないわけだから。
間違って診断されてしまうことは誰にだって起き得ること。そういうことが起きるかも知れないと思っておかないとね。そうすれば「再検査」と言われれば必ず受けるでしょ。ひょっとしたら前回見落とされたものが今回見つかるかもしれないわけだから。
それに再検査を受けるとなったら、一度は真剣に「乳がんかもしれない可能性」に不安を感じながらも向き合うことができる。医師の言葉を受け止めて、しっかり自分の頭で考える準備を整えることができる。
ところが、再検査をすっぽかして、自分で異常に気づいてパニックのような状態で検査。それで「乳がんです」と言われても、受け止めきれない。きっと医師の診断も拒絶したくなってしまうでしょう。それが次の間違った選択につながっているように思えるんですよね。
ダメ、絶対!<その2>「民間療法、非標準治療」
誤診によって、乳がん治療のスタートは遅れてしまった。でもそれってせいぜい半年くらいのことなんですよね。そりゃ早いにこしたことはないけれど、乳がんが判明した時点なら、手術はできたようです。手術ができなくなったのは、さらに治療のスタートが遅れたから。
標準治療というのは、こういう患者さんにはこの薬、この手術というように、ある程度あらかじめ決まっている、効果が見込める治療法のこと。効果が見込めるから保険適用にもなっている、いわば定番の治療。で、乳がんの場合、切除できる段階なら切除するのがよいと考えられている(多くの場合、手術前か手術後の抗がん剤治療と組み合わせる)。というのも切除しないでいると、その間に大きくなったり、他の部位に転移してしまう可能性が高まるから。
麻央さんは切除手術をしていない。つまり標準治療を受けてない。そして、何をしていたのかは語られていない。
最後は自分の選択だけど、乳がんが見つかって切れる段階なら、切った方がいいよ。その時になったら甘い言葉にゆらぎそうだから、「もし乳がんになったら私は絶対に切る!」と誓っておいてもいいくらい。
ダメ、絶対!<その3>「放置からの花咲き乳がん」
乳がんと診断されたあとで行っていたのが気功なら、実質的に意味のある治療は行われていない、つまり、放置していたに等しいということ。それでどうなったかというと、かなり厳しい症状が出ていたらしい。このことは夫の海老蔵さんが、2016年の春ごろは特にひどかったといった内容を会見で話している。
具体的にどのような症状なのかは語られていないのだけれど……。
実際、長い治療の空白期間を経て、麻央さんが病院に入院することになったのは、そういう理由だったと言われている。
もし「切るぐらいなら死んでもいい」という人がいたらこれだけは知っておいてほしい。ただ死ぬだけじゃすまない。そうまでして守りたかった乳房に苦しめられるよ、と。脅すようで悪いけど、そういう可能性もあることを頭の片隅に入れておかないとだね。
ダメ、絶対!<その4>「食事制限」
がんになって亡くなる人は、最後は痩せてしまう。
がん細胞を小さいうちに叩いたり、大きく成長しないように食い止めるのは結局は自分自身の免疫力。バランス良くエネルギー量も豊富な食事は免疫力高めてくれる。病気になると何か特別なことをしなければと思いがち。だけど本当に重要なのは基本的なことだったりする。
悪液質の症状が出る前の、かなり元気なころの麻央さんの食事は何かを制限しているような食事内容に見えた。健康な人が考えるような健康食というか……。結果を知っているから言えることなのかも知れないけど、こういう我慢は必要なかったのかもしれないな。食べられるうちは、美味しいと感じられるものを沢山食べた方が体にも心にも良いんじゃないかな。
ダメ、絶対!<その5>「特別に手術してもらう」
麻央さんの乳がんはステージ4。遠隔転移があって基本的には治癒を期待できない段階とされている。治療の目標は苦痛が少なく、できるだけ長く生きられること。だからステージ4では基本的に手術は行わない。なぜかというと、手術による体への負担や苦痛の方が、治療効果を上回ってしまうから。
実際、この手術の後のわずかな期間は、苦痛も少なく穏やかな日々が続き、ひょっとして奇跡的な治癒もあるんじゃないかとさえ、思えるほどだった。
だけどこれには反対意見もあった。手術するということは、その間抗がん剤治療もストップしてかえって悪くなる。手術したから年はこせないだろうと。
もし仮に、この手術が多くの医師の判断に反して行われた、有名人特権のようなものだったなら、無理に行わなくても良かったのかも、と思ってしまうな。
ダメ、絶対!<その6>「勝手に痛み止めをやめる」
手術を成功させた後の穏やかな期間に、麻央さんは温浴療法や放射線療法といった、これまでとは違ったアプローチに傾倒していった。新しい治療を取り入れるのはいいけれど、それまでの治療を否定するのはいかがなものかという印象を持った。
驚いたのは「どれが効いているのか分からないから」という理由で、それまで使っていた痛み止めやサプリメントを中止したこと。痛みがなく過ごせているのは、痛みを緩和する治療が上手くいっているからで、決して乳がんが良くなっているからではないのに……。
ダメ、絶対!<その7>「変な風呂に入る」
麻央さんが取り入れた2大変な風呂というものがあって。ひとつは酵素風呂。これは風呂といってお湯につかるのではなく、酵素を含んだ土?に入って温まるというもの。もうひとつは温浴療法という名前で登場したもので、こちらは医療機関で治療の一環として行われたもの。
どうやら温浴療法というのはバスタブにつかって受けるタイプの治療で、がんを死滅さえるほどの体温にはならないかもしれない。ただ、がんは死滅しなくても血行がよくなれば症状が緩和するなどのメリットはある。
酵素風呂も温浴療法も症状の緩和のために行うなら、選択肢のひとつとしてあっていいかな。でも、普通の治療を軽視して、これでがんを治そうとするのは危険な発想だと思う。最初に非標準療法を選んだのと同じマインドから来ている気がするんだよね。
ダメ、絶対!<その8>「性格」
乳がんと性格は関係しているのか?という疑問があるけど。がんになりやすい性格についての研究はいくつもあって、何でも深刻に受け取ってストレスをためるタイプはあぶないらしい。
あと性格は治療の選択に影響するよね。強いこだわりがあって、医師や家族のいうことに耳を傾けない、とか。麻央さんの性格ってどんなだろうね?
ダメ、絶対!<その9>「リアル過ぎる描写」
がんで亡くなる人の最期の数週間というのはある程度似ている。麻央さんがブログで症状にふれるとき、それがまだ元気な内ならいいけど、典型的な末期の症状になってくると、余命が推測できてしまうものも含まれてくるんだ。熱、食欲、睡眠、むくみ、など着実にその時が「近づいてきている」のが分かり、見る側もつらい……。
ダメ、絶対!<その10>「海老蔵」
麻央さんが苦しんでいるときも悩んでいるときも、夫の海老蔵は本当によくトレーニングをしていたね。
ま、そういう性格の夫だから救われている部分はあったことは認めよう。家族に一人病人がいたからといって全員で神妙にしていなきゃいけない理由はない。むしろつらい中にも喜びを見つけられるような人の方が安定感があるかも知れない。
が、浮気はダメだ。京都の舞妓との浮気疑惑が報道された2016年11月といえば闘病生活もいよいよ厳しくなってくる時期。浮気が事実なら麻央さんの心労はそうとうなものだったはず。妻がそういう状態だから、なんてもちろん言い訳にならない。 「芸のこやし」と言えば何だって許されると思ってもらっては困るのだーっ!
家族性・遺伝性乳がんとは
乳がんが遺伝の影響を強く受けることはよく知られています。
近親者に乳がんの人がたくさんいる場合は家族性の乳がん、受け継いだ遺伝子の異常で発症するのが遺伝性乳がんです。
とくに遺伝性乳がんに関しては、50歳までに乳がんを発症するリスクが16~25倍にもなるといわれています。
小林麻央さんの母親が乳がんでした。また愛娘の麗禾(れいか)さんへの影響も考えると、小林麻央さんが遺伝性乳がんだったかどうかは切実な問題です。
この点については、検査の結果、遺伝性乳がんではないことが分かったとブログではっきりと否定しています。
ただし、近親者に乳がんの人が多いと、実際問題として乳がんを発症しやすい傾向があるのは事実です。近親者同士は遺伝子の他にも、食事の好みなど生活習慣の面でも共通点を多く持っているためです。
たとえ遺伝性乳がんでなかったとしても、乳がんの多い家系の人はやはりハイリスクであると指摘する専門家もいます。
次の項目にひとつでも当てはまる場合は、乳がんリスクを考慮した方がよいとされています。
・近親者に50歳未満で乳がんを発症した人がいる
・卵巣がんの近親者がいる
・血縁者に乳がんを2コ以上発症した例がある
・血縁者に男性乳がんの例がある
・乳がんになった血縁者が3人以上いる
・血縁者の中に、BRCAという遺伝性乳がんの遺伝子変異が認められた例がある
・乳がんのサブタイプが「トリプルネガティブ」の血縁者がいる
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【Q&A】乳がんに負けない!免疫力を高める食事術
麻央さんと乳がんの関わりについて見てきたけど、どうだった?
確かに病気はどうにもできない運命みたいなもの。でも少ないけれど、自分のために自分自身ができることもある。それは毎日の過ごし方、特に免疫力を左右する食生活のあり方。
不確かな情報に振り回され、極端な食事療法なんてしたら、あなたの体はボロボロに……。がんと戦う免疫力にだって悪影響が出るでしょう。
そうならないためにも、基本的な食事の心構えから、注目したい栄養素まで「Q&A」にまとめたからチェックしてみて。
Q1:がん予防、がん闘病のための食事のポイントは?
A1:神経質にならずに、しっかり食べる
がんにならないためには免疫力がしっかり働くことが大切。また、がんになってしまった後では痩せないことが非常に重要です。
小林麻央さんのケースでもそうでしたが、がんが進行すると痩せてしまい、闘病のための体力も奪われます。それを避けるには十分なエネルギー量と、タンパク質、ビタミン、ミネラルといった栄養素が不足しないようにすることが大切です。
しかし、あまり神経質にってもよくありません。一般的なバランスの良い食事をしっかり続けることを第一に考えましょう。
参考:食事と栄養のヒント(国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター)
Q2:がん予防や進行を遅らせるために避けた方が良い食品は?
A2:がんの種類によっては肉や塩分を控える
基本的に、何かを避けることよりも、バランスよくしっかり食べることの方が大切です。中には避けた方がよいとされる食品もありますがごくわずかです。こちらを参考にしてください。
- がんの種類によって避けたい食品
- アルコール…肝臓がん・大腸がん・乳がん・肺がん・食道がん
- 塩分…胃がん
- 肉類…大腸がん・乳がん
参考:健康長寿ネット(公益財団法人長寿科学振興財団)
Q3:糖質は控えた方がよいのですか?
A3:極端な糖質制限は一般的には勧められない
まず、がん細胞が糖質を好むというのは本当です。例えば点滴で糖質を供給することでがん細胞が増大することはあります。しかし、糖質は正常な細胞も必要としているのでトータルで判断することが大切です。
一般的には次の理由で極端な糖質制限は勧められません。
- 体重減少につながる
- 筋肉の減少につながる
- 糖質不足は、がん細胞を攻撃するNK(ナチュラルキラー)細胞の働きを弱める
糖質制限でがん細胞の栄養をブロックできたとしても、がんを攻撃する免疫力が低下したり、筋肉が減って体力が低下してしまったりすれば、メリットよりもデメリットの方が上回ることになるでしょう。
参考:がん治療における糖質制限(リンパ球バンク株式会社)
Q4:積極的に摂りたいサプリメントは?
A4:筋肉の維持のためにはBCAAとEPAが有益
まず、がんは特定の食品によって治すことはできないと考えましょう。食品にできるのはあくまでも、より良いコンディションを保つこと。近年、特に重要視されているのが筋肉の維持です。筋肉が減少すると体力が低下するばかりでなく、抗がん剤治療にともなう副作用の影響を受けやすいとの指摘があります。これを避けるために筋肉の維持に役立つ栄養素を積極的に摂るとよいでしょう。
サプリメントとして摂取するならBCAAとEPAが有力な候補となります。
BCAAの働き
筋肉の材料となるのは肉、魚、乳製品などの含まれるタンパク質です。タンパク質をパウダー状にして摂取しやすくしたものがプロテインパウダーです。
タンパク質は体内で分解されるとアミノ酸になります。アミノ酸は体内で合成できる非必須アミノ酸と合成できない必須アミノ酸に分類され、特に必須アミノ酸の摂取が大切だと考えられています。
必須アミノ酸の中でもバリン、ロイシン、イソロイシンの3つはBCAAと呼ばれ、筋肉づくりと密接に結びついています。BCAAは運動中の筋肉へのエネルギー供給や、運動直後から始まる筋肉の回復をサポートします。運動を始める前、運動中、運動後のいずれのタイミングでの摂取も有益です。
タンパク質(プロテイン)を摂取すれば体内で分解されて、BCAAを含む必須アミノ酸を全て補うことができます。あくまでも目安ですが、プロテイン20グラムを摂取すると10グラム程度の必須アミノ酸が摂取でき、その内の5グラム程度がBCAAです。吸収スピードはBCAAの方が早いので運動前後はBCAAの方が便利ですが、健康づくりのための食品としてならプロテインでもBCAAでもどちらでも構いません。
肉や魚などのタンパク質を含む食事をとりながら、必要に応じてプロテインやBCAAといったサプリメントを活用するとよいでしょう。
EPAの働き
EPAは青魚に含まれるフィッシュオイルのひとつ。血液をサラサラにする効果や、炎症を抑える効果が得られることから、医療分野でも活用されるようになっています。
EPAはもともとイヌイットの人たちの間で心臓疾患による死亡件数が少ないことから、「青魚」の摂取が関係しているのではないか、と注目を集め、研究が進んだ成分です。
現在では血液をサラサラにする効果があることが分かっています。血液がどろどろだと血管の壁が厚くなったり、血液が詰まりやすくなったりし、心臓の重要な血管が詰まると狭心症や心筋梗塞を引き起こします。血液をサラサラにすることにはこうしたリスクを下げる効果があります。
また運動の際に体の隅々まで酸素を届けるのは血液中の赤血球です。EPAの働きで血液がサラサラになれば効率よく赤血球による酸素運搬が行われ、
- 運動中に疲れにくい
- 運動後の筋肉痛が軽くて済む
といったメリットがあります。
運動を無理なく行えるということは、それだけ日常生活における歩いたり、階段を上がったりといった活動も楽に感じられるということ。
このように、ちょっとした運動が苦痛でなくなれば、「今日は駅ひとつ分を散歩がてらに歩いて見よう」「エレベーターを使わずに階段で行こう!」というように、自然に運動することへの積極性が出てくるかも知れませんね。
あなたは受け止められる? 「乳がんと死」
乳がん闘病生活の記録をブログに綴り、死によって更新を止めた小林麻央さん。乳がんというのは本当に死んでしまう病気なんだ、怖い病気なんだ、ということを知らしめました。
乳がんを恐れることは自然であり、また必要なことでもあります。乳がんを侮ってはいけない、楽観的な賭けに出てはいけない、不確かなものを信仰してはけない、そうしたメッセージを送ることがこの記事の目的です。すべてが真面目な内容かと問われれば必ずしもそうとはいいきれない部分はあるものの、誰にも選択ミスをしてほしくないという気持ちは本当です。
ただ、ちょっと注意したいのは、小林麻央さんのケースはやはり特殊だということ。この事例だけを見ていると乳がんのイメージは歪められてしまう。そのままでは、実際そうなってしまったときに役立てられない。自分のこととして受け止めるために、乳がんと死について整理しておきます。
外れるのも道理
今この記事を読んでくれているのは、小林麻央さんのブログを熱心に読んでいた方もいれば、報道を通じて少し知ってるくらいの方、ほとんど知らないといった方など、さまざまかと思います。私はといえば、熱心に読んでいた方に分類されると思います。始まりは、「これから海老蔵さんによって重大な発表が行われる」と報道されたことでした。
「いったい何か発表されるんだろう?」
会見の内容がニュースになるのではなく、会見の予告がニュースになるという異例の取り上げられ方に、「ただ事ではない」ことを予感していました。
その時点で、どの程度の情報が出ていたのかは正確には覚えていませんが、妻の麻央さんに関する会見であることは分かっていた気がします。しかし、それが乳がんに関するものであることは、推測のレベルでしか語られていなかったはずです。
なぜ、そう言えるかというと、私自身が推測で「乳がんかもしれない」という記事を書いていたからです。当てずっぽうで書いた記憶が残っています。しかも、その内容が問題です。
2016年6月9日、当サイトが麻央さんについて初めて語った記事は、
「乳がんなら見通しは明るい」と言っています。
麻央さんの結末を知っている今にして思えば、大外れもいいところ、とんだでまかせです。
しかし、乳がんの理解としてはそう間違っているとも言い切れません。
実際、乳がんはステージ2までなら5年生存率90%以上、ステージ3でも72%くらいです。ステージ4になると40%台まで下がってしまうのですが。他のがんに比べると生存率は高いのです。
麻央さんが乳がんで亡くなったからといって、乳がんになったら高い確率で死んでしまうのではないかと考える人がいたら、それは間違いです。乳がんは高い確率で生存できる病気です。
一番衝撃的だったこと
麻央さんがブログを始めて以来、毎日欠かさず読んでいました。そして、何度も何度も新事実に驚かされました。
一番驚いたのは何だったか?
それは、手術したことや、亡くなってしまったことでさえなく、ひとつの告白でした。「ステージ4だった」という。
2016年9月20日のブログに、肺や骨に転移があると、さらりと書かれていたのです。この事実は重大です。「ステージ4」という言葉こそ使われていませんが、肺や骨への遠隔転移があるということは、確実にステージ4を意味します。そしてステージ4であるということは、ほぼ治癒は不可能な状態です。
先ほど、乳がんは生存率が高いといいましたが、麻央さんがステージ4であることを知らされ、突如それまで考えていなかった死が現実的なものとなってきたのです。
死を連想させるもの
麻央さんのブログを通じて、乳がんが患者にどのような苦痛を強いるものなのかを知ることができました。
例えば、骨転移というのはすごい痛みを伴うものだということ。それから、実際に麻央さんがそうであったかどうかは憶測の域を出るものではありませんが、「花咲き乳がん」という、がんが皮膚表面まで出てきてしまう状態。これは精神的にも非常に苦痛です。
ただ直接「死」と結びついているということでいえば、激痛の骨転移や、精神的ダメージの大きい花咲き乳がん以上に、「悪液質」が問題になります。
がんについて少し調べたことのある人なら、「悪液質」というものを知っているでしょう。食べ物が食べられなくなってしまうこと、どんどんやせ細っていってしまうこと、これはがん細胞が体の中にできたことで起きる代謝異常によるもの。悪液質と呼ばれる状態なのです。
がん患者さんのほとんどは痩せてしまうといいます。その背景には悪液質があります。麻央さんのブログを読むようになってから、がんについて調べる機会が増えました。いつしか悪液質というものについて知識としては知るようになりました。
そして麻央さんの病状は、ちょうど調べた内容そのままに、次第に食べ物が食べられなくなり、痩せていきました。死が迫っていることを感じずにはいられませんでした。
そして、最期はおだやかに
乳がんは、乳房にできたがんによって亡くなることはありません。なぜなら乳房は全部切ってしまっても生きられることからも分かるように、生死にかかわる部位ではないからです。
生死にかかわる部位とは、例えば腎臓、肺、脳など。こうした臓器に遠隔転移したがんが大きくなって臓器の機能を奪うと死を招きます。最期はいずれかの臓器に支障をきたし、亡くなっていきます。
ところで末期がんというと、ベッドに横たわって最期まで点滴を打っているというイメージはないでしょうか。こうした延命治療は現在では行われなくなっているといいます。というのも、点滴を打つと水分量が増えて肺に水がたまる肺水腫が起きるからです。
反対に点滴を減らせば水分量が低下して、尿が濃くなり、尿毒症を引き起こします。尿毒症は死につながります。しかし、苦痛は感じず、自然の麻酔といわれています。
がんで亡くなる方の多くは最期はうとうととした状態になるようです。意識があるような、ないようなあやふやな状態。麻央さんもそのような状態で、夫の海老蔵さんに「愛してる」と伝えて旅立ちました。
乳がんの苦痛のピークは最期の瞬間ではありません。最期はおだやかなもののようです。
↓この記事は動画にもまとめられています。
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